第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題72

手指の筋と作用の組合せで正しいのはどれか。

  1. 掌側骨間筋 – MP 関節伸展
  2. 浅指屈筋 – DIP 関節屈曲
  3. 短母指伸筋 – IP 関節伸展
  4. 虫様筋 – MP 関節屈曲
  5. 背側骨間筋 – PIP 関節屈曲

解答解説

正解は4.虫様筋 – MP 関節屈曲です。

虫様筋はMP関節(中手指節関節)の屈曲と同時に、PIP(近位指節間)およびDIP(遠位指節間)関節を伸展させる複合的な作用を持つ筋です。手の精密動作に重要な役割を果たしています。

各選択肢の解説

  1. 掌側骨間筋 – MP 関節伸展
    この選択肢は誤りです。掌側骨間筋はMP関節の内転を行いますが、伸展には関与しません。
  2. 浅指屈筋 – DIP 関節屈曲
    この選択肢は誤りです。浅指屈筋はPIP関節の屈曲を主に担い、DIP関節の屈曲は深指屈筋が行います。
  3. 短母指伸筋 – IP 関節伸展
    この選択肢は誤りです。短母指伸筋は母指のMP関節を伸展しますが、IP関節の伸展は長母指伸筋が担います。
  4. 虫様筋 – MP 関節屈曲
    この選択肢が正解です。虫様筋はMP関節を屈曲し、同時にDIPおよびPIP関節を伸展させる特異な筋です。
  5. 背側骨間筋 – PIP 関節屈曲
    この選択肢は誤りです。背側骨間筋はMP関節の外転を行いますが、PIP関節の屈曲には関与しません。

ワンポイントアドバイス

虫様筋の特徴的な作用は、手指の精密な運動を理解する上で非常に重要です。特に、MP関節屈曲とPIP・DIP関節伸展の組合せを覚えておくことで、類似問題に対応できます。