53歳の女性。自転車走行中に転倒受傷し、鎖骨骨幹部骨折に対して観血的整復固定術が施行された。術後翌日の患側の理学療法で正しいのはどれか。
- 手指運動を行う。
- 患部に超音波療法を行う。
- 肩関節挙上の等張性運動を行う。
- 全身の安静のためベッド上で行う。
- 他動で肩関節の可動域練習を行う。
解答解説
正解は1. 手指運動を行うです。
鎖骨骨幹部骨折に対する観血的整復固定術後の初期段階では、患部に過度な負荷をかけずに、循環改善や廃用性筋萎縮の予防を目的とした運動が推奨されます。 特に、手指や前腕など遠位部の運動は、患部に負荷をかけずに循環促進を図る安全なアプローチとして適切です。
各選択肢の解説
- 手指運動を行う。
この選択肢が正解です。手指運動は患部に負担をかけず、循環を改善し、筋萎縮や関節拘縮の予防に効果的です。術後初期には適切な理学療法です。 - 患部に超音波療法を行う。
この選択肢は誤りです。術後直後は炎症が強く、患部に直接刺激を与える超音波療法は適応外です。腫脹や痛みを悪化させる可能性があります。 - 肩関節挙上の等張性運動を行う。
この選択肢は誤りです。術後翌日に肩関節挙上の等張性運動を行うことは、患部への過剰な負担を招き、固定部の安定性を損なうリスクがあります。 - 全身の安静のためベッド上で行う。
この選択肢は誤りです。術後も適切な範囲での運動は必要です。完全な安静は血流低下や筋力低下を招くため、非推奨です。 - 他動で肩関節の可動域練習を行う。
この選択肢は誤りです。術後翌日では肩関節の可動域練習は早期であり、固定部への負担が懸念されるため行いません。
ワンポイントアドバイス
術後初期の理学療法では、患部を安静に保ちながらも遠位部の軽度な運動を通じて循環を促進することが重要です。手指運動や握力トレーニングは安全で有効な手法です。肩関節や患部の運動は、術後の回復段階に応じて徐々に進める必要があります。