慢性閉塞性肺疾患の患者の胸部エックス線写真で特徴的なのはどれか。
- 横隔膜挙上
- 心陰影拡大
- 肋間腔の狭小化
- 肺野の透過性亢進
- シルエットサイン
解答解説
正解は4. 肺野の透過性亢進です。
解説
- 横隔膜挙上
慢性閉塞性肺疾患(COPD)では横隔膜は平坦化することが多く、挙上することはありません。この選択肢は誤りです。 - 心陰影拡大
COPD患者では心陰影が拡大することは稀です。ただし、肺高血圧症や右心不全が併発すると、右心拡大が認められる場合もありますが、主たる特徴ではありません。 - 肋間腔の狭小化
COPDではむしろ肺の過膨張によって肋間腔が広がる傾向があります。この選択肢は誤りです。 - 肺野の透過性亢進
COPD患者では肺の過膨張が起こり、肺野の透過性が亢進します。これは胸部エックス線写真で顕著に現れる典型的な所見です。この選択肢が正解です。 - シルエットサイン
シルエットサインは肺炎や腫瘍による肺実質の不透明性が増す際に見られる所見であり、COPDの特徴ではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
COPD患者の胸部エックス線所見では、肺野の透過性亢進、横隔膜の平坦化、肋骨間の拡大、さらに後期には肺尖部の気腫性変化が特徴的です。正常な所見と比較することで異常を見つけやすくなります。