第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題99

うつ病のリワークプログラムで正しいのはどれか。

  1. 集団療法として位置づけられる。
  2. 精神科医療機関では実施されない。
  3. 診断や就労状況などで対象者は限定されない。
  4. 実施にあたり主治医との情報共有は制限される。
  5. 急性期からプログラムに参加することが推奨される。

解答解説

正解は1です。

リワークプログラム(職場復帰支援プログラム)は、集団療法として位置づけられ、参加者同士が交流しながら、社会的スキルの回復や職場復帰に向けた準備を行うことが目的です。集団でのプログラムは、他者との交流を通じて自己理解を深めるだけでなく、復職後の職場環境に適応するための訓練として有効です。

選択肢の解説

  1. 集団療法として位置づけられる。
    正解です。リワークプログラムは、集団療法の一種であり、同じ目標を持つ参加者同士が交流し、支え合いながら社会復帰に向けて取り組む形式をとることが多いです。
  2. 精神科医療機関では実施されない。
    誤りです。精神科医療機関や地域の支援施設でリワークプログラムが実施されることが一般的です。医療機関の多職種チームがプログラムを運営することもあります。
  3. 診断や就労状況などで対象者は限定されない。
    誤りです。リワークプログラムの対象者は、うつ病や適応障害などの診断を受け、職場復帰を目指している人に限定されることが多いです。
  4. 実施にあたり主治医との情報共有は制限される。
    誤りです。主治医との情報共有は、リワークプログラムの効果を高めるために重要です。参加者の状態を把握し、適切なサポートを提供するために情報共有が行われます。
  5. 急性期からプログラムに参加することが推奨される。
    誤りです。急性期は休養が最優先されるため、リワークプログラムへの参加は適切ではありません。症状が安定し、社会復帰に向けた準備が可能な回復期から参加するのが一般的です。

ワンポイントアドバイス

リワークプログラムは、うつ病や適応障害などの治療の一環として、職場復帰を目指す患者を支援するために設計されたプログラムです。集団療法としての効果や、主治医や支援者との連携が重要であることを理解し、急性期ではなく回復期から実施される点を押さえておきましょう。