器質性精神障害の急性期の症状として最もみられるのはどれか。
- 失語
- せん妄
- 知能低下
- 性格変化
- 健忘症候群
解答解説
正解は2です。
せん妄は、器質性精神障害の急性期に最もよくみられる症状です。せん妄は、意識の混濁、注意力の障害、幻覚、錯覚、興奮、不安などの急性の精神状態の変化を特徴とします。器質性精神障害の急性期では、身体疾患や外傷、薬剤の影響などによる脳機能の急激な変化が原因となることが多いです。
選択肢の解説
- 失語
誤りです。失語は、脳の特定部位(主に左半球の言語中枢)の障害による言語機能の障害で、器質性精神障害というよりは、脳血管障害などの局所的な障害の結果としてみられることが多いです。 - せん妄
正解です。せん妄は、器質性精神障害の急性期に最も典型的な症状であり、特に高齢者や身体疾患のある患者で多くみられます。夜間に悪化しやすく、意識混濁、錯覚、幻覚、注意障害などが特徴です。 - 知能低下
誤りです。知能低下は、器質性精神障害の慢性期の症状としてみられることが多く、急性期には目立ちません。 - 性格変化
誤りです。性格変化は、脳の慢性的な器質的病変(例:前頭葉の障害)によってみられることが多く、急性期には一般的ではありません。 - 健忘症候群
誤りです。健忘症候群は、慢性的なアルコール依存症(コルサコフ症候群)や脳の記憶に関与する部位の障害によるものであり、急性期の症状ではありません。
ワンポイントアドバイス
器質性精神障害では、急性期の症状(せん妄)と慢性期の症状(認知機能低下や性格変化)を区別することが重要です。特に高齢者や身体疾患のある患者では、せん妄が突然出現することが多いため、迅速な対応が必要です。