肩甲骨を胸郭に押し付ける作用のある筋はどれか。
- 大胸筋
- 広背筋
- 前鋸筋
- 鎖骨下筋
- 肩甲挙筋
解答解説
正解は3. 前鋸筋です。
解説
肩甲骨を胸郭に押し付ける役割を果たす筋は、肩甲骨を安定させる筋群の1つです。特に前鋸筋は、この動作において重要な働きを担います。
各選択肢の解説
- 大胸筋(誤り)
- 大胸筋は主に肩関節の屈曲、内転、内旋に関与します。肩甲骨を胸郭に押し付ける直接的な作用はありません。
- 広背筋(誤り)
- 広背筋は肩関節の伸展、内旋、内転を行います。肩甲骨の安定には寄与せず、胸郭に押し付ける作用はありません。
- 前鋸筋(正解)
- 前鋸筋は第1〜8肋骨から肩甲骨の内側縁に付着し、肩甲骨を胸郭に押し付ける作用を持ちます。また、肩甲骨を前外方に引くことで肩の屈曲や挙上を助ける役割もあります。
- 鎖骨下筋(誤り)
- 鎖骨下筋は第1肋骨と鎖骨の間に位置し、鎖骨を安定させる働きをします。肩甲骨を胸郭に押し付ける役割はありません。
- 肩甲挙筋(誤り)
- 肩甲挙筋は頸椎の横突起から肩甲骨の上角に付着し、肩甲骨を挙上させる筋です。胸郭への押し付けには関与しません。
ワンポイントアドバイス
前鋸筋の機能が損なわれると、肩甲骨が浮き上がる翼状肩甲が生じ、上肢の挙上が困難になることがあります。このため、前鋸筋の役割とその解剖学的位置関係を理解しておくことは、臨床や試験対策で重要です。