統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴えた。この症状はどれか。
- 考想伝播
- 作為体験
- 妄想気分
- 妄想知覚
- 連合弛緩
解答解説
正解は3です。
妄想気分は、統合失調症に特徴的な症状で、「何か重大なことが起こりそう」「不気味な何かを感じる」といった漠然とした不安感や緊張感が支配的になる状態です。この時点では具体的な妄想の内容は形成されていませんが、異常な主観的体験が背景にあります。
選択肢の解説
- 考想伝播
誤りです。考想伝播は、自分の考えが他人に伝わってしまうという体験を指します。妄想気分とは異なり、具体的な「考えの漏洩」という妄想内容を含む症状です。 - 作為体験
誤りです。作為体験は、「自分の行動や考えが他人によって操作されている」という感覚を伴う体験です。妄想気分のような漠然とした不安感とは異なります。 - 妄想気分
正解です。妄想気分は、統合失調症の初期にみられることがあり、特に外界や自分自身に対する異常な感覚や不気味さを伴います。まだ具体的な妄想には至らず、主観的な不安や緊張感が中心となります。 - 妄想知覚
誤りです。妄想知覚は、日常的な出来事や知覚体験に対して「特別な意味がある」と確信する体験です。例えば、「赤い服を着た人を見たから、自分が狙われている」といった具体的な妄想内容が含まれます。 - 連合弛緩
誤りです。連合弛緩は、思考の一貫性が失われ、話が飛躍して論理的なつながりが弱くなる状態を指します。この症状は思考過程の障害であり、不安や緊張感とは関係がありません。
ワンポイントアドバイス
統合失調症の初期には、妄想気分や妄想知覚といった「体験的な異常」が現れます。妄想気分(漠然とした不安や緊張感)と妄想知覚(知覚に特別な意味を付ける)の違いを理解しておくことで、試験での混乱を防ぐことができます。