第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題97

てんかんで正しいのはどれか。

  1. 常にけいれんを伴う。
  2. 発症率は30歳代が70歳代よりも高い。
  3. West症候群の発症のピークは3〜5歳である。
  4. 高齢初発の症候性てんかんの原因疾患としては脳血管障害が最も多い。
  5. てんかんによる突然死のリスクは、強直間代発作よりも欠神発作の方が高い。

解答解説

正解は4です。

高齢初発の症候性てんかんでは、脳血管障害が最も多い原因疾患です。脳梗塞や脳出血、脳動静脈奇形などがてんかんの発作を引き起こすことがあります。高齢者ではこのような器質的病変が症候性てんかんの背景にある場合が多いです。

選択肢の解説

  1. 常にけいれんを伴う。
    誤りです。てんかん発作は必ずしもけいれんを伴いません。欠神発作(短時間の意識消失)や脱力発作(筋力低下)など、非けいれん性の発作も多く存在します。
  2. 発症率は30歳代が70歳代よりも高い。
    誤りです。てんかんの発症率は小児と高齢者で高く、特に70歳代以降で発症率が再び上昇します。30歳代の発症率は70歳代よりも低いです。
  3. West症候群の発症のピークは3〜5歳である。
    誤りです。West症候群の発症のピークは生後3〜8か月です。乳児期に多くみられる症候性てんかんの一つで、発達の遅れを伴うことが特徴です。
  4. 高齢初発の症候性てんかんの原因疾患としては脳血管障害が最も多い。
    正解です。高齢者のてんかんは症候性てんかんが多く、その原因として脳血管障害(脳梗塞、脳出血)が最も多いです。次いで頭部外傷や脳腫瘍などが挙げられます。
  5. てんかんによる突然死のリスクは、強直間代発作よりも欠神発作の方が高い。
    誤りです。てんかんによる突然死(SUDEP)のリスクは、強直間代発作が最も高いです。欠神発作は突然死のリスクが低いとされています。

ワンポイントアドバイス

てんかんは年齢や原因によって発症パターンが異なります。

  • 小児期:遺伝性や発達異常に関連。例:West症候群。
  • 成人期:外傷、腫瘍が主な原因。
  • 高齢期:脳血管障害が主因。
    また、発作の種類とリスク(強直間代発作とSUDEPなど)をしっかり区別して覚えておきましょう。