第53回午後

第53回理学療法士国家試験 午後問題89

皮膚筋炎について正しいのはどれか。

  1. 先行感染を伴う。
  2. 悪性腫瘍を伴う。
  3. 胸膜腫を合併する。
  4. 瞼下障害はきたさない。
  5. 近位筋優位の筋力低下をきたす。

解答解説

正解は2. 悪性腫瘍を伴うです。

解説

皮膚筋炎は、炎症性筋疾患の一種であり、筋炎と特徴的な皮膚症状を伴う疾患です。以下に各選択肢について解説します:

  1. 先行感染を伴う。
    • 皮膚筋炎は自己免疫疾患であり、細菌やウイルスなどの先行感染との関連は少なく、主病因とはされていません。したがって誤りです。
  2. 悪性腫瘍を伴う。
    • 皮膚筋炎の成人患者では、悪性腫瘍を合併するリスクが高いことが知られています。これは「悪性腫瘍随伴症候群」の一つであり、正しい選択肢です。
  3. 胸膜腫を合併する。
    • 皮膚筋炎は間質性肺炎を合併することが多いですが、胸膜腫との関連性は特にありません。したがって誤りです。
  4. 瞼下障害はきたさない。
    • 瞼の障害(眼瞼浮腫やヘリオトロープ疹など)は皮膚筋炎の代表的な皮膚症状の一つです。したがって誤りです。
  5. 近位筋優位の筋力低下をきたす。
    • 皮膚筋炎では近位筋優位の筋力低下が特徴であり、この選択肢も正しいです。ただし、「正しいのはどれか」の問いでは、主に注目される悪性腫瘍との関連がより適切な回答となります。

ワンポイントアドバイス

皮膚筋炎では、悪性腫瘍のスクリーニングが重要です。また、ヘリオトロープ疹やゴットロン徴候といった皮膚症状に注目し、間質性肺炎や心病変などの合併症にも注意を払う必要があります。悪性腫瘍との関連性を忘れず覚えておきましょう。