急性膵炎で正しいのはどれか。
- 胆石が最も多い原因である。
- 重症例の死亡率は1%前後である。
- 急性期は血中アミラーゼが低下する。
- 膵内での消化酵素の活性化がみられる。
- 体幹の伸展で痛みが軽減することが多い。
解答解説
正解は4です。
急性膵炎は膵臓内で消化酵素が異常に活性化することにより、膵臓自身が消化される病態です。この自己消化作用が急性膵炎の主な病理であり、炎症や組織壊死が引き起こされます。
選択肢の解説
- 胆石が最も多い原因である。
誤りです。急性膵炎の原因として多いのは胆石とアルコールですが、最も多い原因は地域や患者群によって異なります。胆石が主原因となることもありますが、必ずしも最も多いとは限りません。 - 重症例の死亡率は1%前後である。
誤りです。急性膵炎全体の死亡率は軽症例を含めると低いですが、重症例では20~30%に達することもあります。合併症(多臓器不全や感染性壊死)を伴う場合に死亡率が上昇します。 - 急性期は血中アミラーゼが低下する。
誤りです。急性膵炎の急性期には血中アミラーゼやリパーゼが上昇します。これらの値は診断の重要な指標となります。 - 膵内での消化酵素の活性化がみられる。
正解です。急性膵炎の病態の中心は、膵内でのトリプシノーゲンなどの消化酵素が異常に活性化し、膵臓自身を損傷することです。 - 体幹の伸展で痛みが軽減することが多い。
誤りです。急性膵炎では腹部の痛みが特徴で、前屈位で痛みが軽減することがあります。体幹を伸展すると痛みが悪化する場合が多いです。
ワンポイントアドバイス
急性膵炎の主な特徴は以下の通りです:
- 原因:胆石、アルコールが主因。
- 症状:急性腹痛、前屈位で軽減する痛み。
- 診断:血中アミラーゼ・リパーゼの上昇、CTによる膵腫大の確認。
- 重症化:多臓器不全や感染性壊死に注意。
これらをしっかり把握しておくことが重要です。