ある患者の心理検査の一部を示す。この検査法はどれか。
- HTP(House-tree-person test)
- SCT
- MMPI
- P-Fスタディ
- ASQ(Autism Screening Questionnaire)
解答解説
正解は2. SCTです。
解説
SCT(Sentence Completion Test:文章完成法)は、未完成の文章を提示し、それを自由に補完してもらうことで、被験者の性格や感情、思考傾向を探る投影法の心理検査です。今回の例のように、未完成の文章を補う形で回答が行われます。この検査では、回答に表れる内容から、自己像や対人関係、家族関係、価値観、感情の傾向を分析します。
各選択肢の解説
- HTP(House-tree-person test)(誤り)
- HTPは「家・木・人」を描く描画法による心理検査で、被験者の性格や感情状態を評価します。文章完成ではないため、本件には該当しません。
- SCT(正解)
- SCTは文章完成法で、提示された未完成の文を補う形で自己表現を行う投影法です。今回示された検査は、SCTに該当します。
- MMPI(誤り)
- MMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory)は、567の質問項目に対して「はい」「いいえ」「どちらでもない」で回答する質問紙法の心理検査です。文章完成ではないため該当しません。
- P-Fスタディ(誤り)
- P-Fスタディ(Picture-Frustration Study)は、フラストレーション場面を描いた絵を見せ、その場面に対してどう答えるかを記入してもらう検査です。文章完成ではなく、絵に基づいた回答なので本件には該当しません。
- ASQ(誤り)
- ASQ(Autism Screening Questionnaire)は、自閉症スペクトラム障害のスクリーニング検査で、特定の質問に回答する形式です。文章完成法ではありません。
ワンポイントアドバイス
心理検査は、それぞれの特徴を押さえておくと区別しやすくなります。特に投影法では、以下の違いを覚えておくと便利です:
- SCT:未完成の文章を補完する形式。
- HTP:家、木、人の絵を描いて分析。
- P-Fスタディ:フラストレーション場面の絵に反応。
これらを整理して覚えると、問題の識別がスムーズになります。