脳卒中後の肩手症候群について正しいのはどれか。
- 運動麻痺重症例よりも軽症例に多い。
- 女性の発症率は男性の約2倍である。
- 脳卒中発症後6か月以降に生じる。
- 発症頻度は40%程度である。
- 複合性局所疼痛症候群type Iに分類される。
解答解説
正解は5. 複合性局所疼痛症候群type Iに分類されるです。
解説
脳卒中後の肩手症候群は、脳卒中後に肩関節や手の関節に痛みや腫れを伴う症状で、CRPS(複合性局所疼痛症候群)type Iに分類されます。以下に各選択肢について解説します:
- 運動麻痺重症例よりも軽症例に多い。
- 実際には運動麻痺が重い患者ほど肩手症候群のリスクが高いとされています。したがって誤りです。
- 女性の発症率は男性の約2倍である。
- 脳卒中後の肩手症候群の発症に男女差は明確ではありません。このため誤りです。
- 脳卒中発症後6か月以降に生じる。
- 肩手症候群は一般的に脳卒中発症後、数週間から数か月以内に発症することが多いです。6か月以降は稀であるため誤りです。
- 発症頻度は40%程度である。
- 実際の発症頻度は10~25%程度と報告されており、40%は過大評価です。したがって誤りです。
- 複合性局所疼痛症候群type Iに分類される。
- 肩手症候群は神経損傷を伴わないCRPS type Iに該当するため、これが正解です。
ワンポイントアドバイス
肩手症候群の予防と治療には早期のリハビリテーションが重要です。特に、肩関節の過剰な牽引や不適切な可動域訓練を避け、浮腫や痛みを管理するために適切なポジショニングと物理療法を併用することが効果的です。