変形性膝関節症の進行に伴う関節構成体の変化で正しいのはどれか。
- 滑膜の肥厚
- 骨養窟の消失
- 軟骨下骨の肥厚
- 関節裂隙の拡大
- 関節靱帯の緊張
解答解説
正解は1. 滑膜の肥厚です。
解説
変形性膝関節症(OA)は、加齢や過負荷によって関節軟骨が破壊される慢性疾患です。その進行に伴い、関節構成体にさまざまな変化が生じます。以下に各選択肢について説明します:
- 滑膜の肥厚
- OAの進行により、滑膜が慢性的な炎症を起こし、滑膜細胞の増殖や線維化が進みます。その結果、滑膜の肥厚が生じます。これが正解です。
- 骨養窟の消失
- 骨養窟は骨髄腔の一部を指しますが、OAでは軟骨下骨が肥厚するため、骨養窟の消失は生じません。よって不正解です。
- 軟骨下骨の肥厚
- 軟骨が減少すると、軟骨下骨が反応性に硬化・肥厚しますが、これは「滑膜肥厚」よりもOAの初期には起こりにくい特徴です。
- 関節裂隙の拡大
- OAでは軟骨がすり減るため、関節裂隙はむしろ狭小化します。拡大は誤りです。
- 関節靱帯の緊張
- OAが進行すると関節の不安定性が増し、靱帯は緊張するよりも緩む傾向があります。このため誤りです。
ワンポイントアドバイス
OAの主な特徴として、以下のポイントを押さえておきましょう:
- 滑膜炎:慢性炎症による肥厚
- 関節裂隙の狭小化:軟骨の消耗により生じる
- 骨棘形成:関節周囲の骨反応
また、リハビリでは、筋力強化や関節可動域訓練を通じて症状を軽減することが重要です。