動脈血ガス分析結果が pH 7.32、PaCO₂ 33 Torr、PaO₂ 83 Torr、HCO₃⁻ 17 mEq/L である場合に予想される呼吸様式はどれか。
- 徐呼吸
- 頻呼吸
- 無呼吸
- Kussmaul呼吸
- Cheyne-Stokes呼吸
解答解説
正解は4. Kussmaul呼吸です。
解説
動脈血ガス分析から、以下のポイントが読み取れます。
- pH 7.32: 正常値(7.35~7.45)より低く、酸性(アシデミア)の状態を示します。
- PaCO₂ 33 Torr: 正常値(35~45 Torr)より低いため、呼吸性の代償反応として過換気が示唆されます。
- HCO₃⁻ 17 mEq/L: 正常値(22~26 mEq/L)より低く、代謝性アシドーシスを示します。
これらの結果は、代謝性アシドーシスに対する代償反応として見られる深く速い呼吸(Kussmaul呼吸)の存在を示唆します。
選択肢解説
- 徐呼吸
徐呼吸(呼吸数の減少)は、中枢神経抑制や薬物中毒などで見られますが、代謝性アシドーシスの代償反応としては該当しません。 - 頻呼吸
頻呼吸は浅く速い呼吸で、過換気の一形態ですが、代謝性アシドーシスの代償では深く速い呼吸(Kussmaul呼吸)が見られるため該当しません。 - 無呼吸
無呼吸(呼吸停止)は代謝性アシドーシスの代償とは無関係です。 - Kussmaul呼吸
Kussmaul呼吸は、代謝性アシドーシス(例: 糖尿病性ケトアシドーシスなど)で見られる呼吸様式です。深く速い呼吸を行うことで、体内の二酸化炭素(CO₂)を排出し、酸性の状態を改善しようとする代償反応です。本問の血液ガス結果に一致するため正解です。 - Cheyne-Stokes呼吸
Cheyne-Stokes呼吸は、呼吸の強弱が周期的に変化し、無呼吸を伴うことが特徴です。心不全や脳疾患で見られることが多く、代謝性アシドーシスとは関連がありません。
ワンポイントアドバイス
代謝性アシドーシスの代償反応として重要なポイントは、深く速い呼吸(Kussmaul呼吸)が見られることです。また、血液ガス分析を読み解く際には、pH(酸性・アルカリ性)、PaCO₂(呼吸性)、HCO₃⁻(代謝性)の変化を総合的に判断する力を養いましょう。