第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題89

続発性骨粗鬆症発症の危険因子はどれか。

  1. 肥満
  2. 副腎不全
  3. 関節リウマチ
  4. 甲状腺機能低下
  5. 副甲状腺機能低下

解答解説

正解は3です。

関節リウマチは、続発性骨粗鬆症の主な原因の一つです。炎症性疾患に伴う骨吸収の亢進や、治療薬として用いられるステロイド(副腎皮質ステロイド)の長期使用が骨密度の低下を引き起こします。また、活動性の低下も骨量減少を助長します。

選択肢の解説

  1. 肥満
    誤りです。肥満は、体重が骨に負荷をかけるため、骨密度が高い傾向があります。ただし、肥満が極端に進行した場合や栄養不良を伴う場合には骨粗鬆症のリスクとなることもあります。
  2. 副腎不全
    誤りです。副腎不全では副腎皮質ステロイドホルモンが不足するため、骨粗鬆症のリスクはむしろ低下します。ステロイドが多い場合に骨粗鬆症のリスクが増加します。
  3. 関節リウマチ
    正解です。関節リウマチは慢性炎症性疾患で、炎症に伴う骨吸収促進や、ステロイド治療による骨密度の低下が骨粗鬆症のリスクを高めます。
  4. 甲状腺機能低下
    誤りです。甲状腺機能低下症では骨代謝が低下するため、骨密度はむしろ維持されやすいです。一方で、甲状腺機能亢進症では骨吸収が亢進し、骨粗鬆症のリスクが増加します。
  5. 副甲状腺機能低下
    誤りです。副甲状腺機能低下症では副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が低下し、血中カルシウム濃度が低下しますが、骨吸収も低下するため、骨粗鬆症のリスクは高くありません。副甲状腺機能亢進症では骨吸収が促進され、骨粗鬆症のリスクが高まります。

ワンポイントアドバイス

続発性骨粗鬆症は、基礎疾患や治療に起因する骨密度の低下が原因です。主な疾患には、関節リウマチ、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症、糖尿病などが挙げられます。また、ステロイド使用がリスク因子となるため、薬剤の影響も注意深く把握しておきましょう。