高齢者の長期の安静臥床の影響で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 記銘力の低下
- 1回換気量の増加
- 循環血液量の減少
- 予備呼気量の増加
- 安静時心拍数の減少
解答解説
正解は1と3です。
1. 記銘力の低下
長期の安静臥床は高齢者の認知機能に悪影響を及ぼすことがあり、記銘力(新しい情報を記憶する能力)の低下が見られることがあります。これは社会的交流の減少や身体活動不足に伴う精神的・認知的な低下によるものです。
3. 循環血液量の減少
長期間の安静臥床では、体液の再分布や静脈還流の低下により循環血液量が減少します。この結果、起立性低血圧や血栓症のリスクが高まります。
選択肢の解説
- 1回換気量の増加
誤りです。安静臥床では筋力低下や肺のコンプライアンス低下により呼吸機能が低下します。1回換気量は増加するのではなく、むしろ減少する傾向があります。 - 予備呼気量の増加
誤りです。予備呼気量(安静呼気位からさらに吐き出せる空気量)は、安静臥床による呼吸筋の萎縮や横隔膜の低下によって減少します。 - 安静時心拍数の減少
誤りです。長期の安静臥床では心肺機能が低下し、心拍出量の維持のために安静時心拍数はむしろ増加する傾向があります。
ワンポイントアドバイス
長期の安静臥床がもたらす身体機能への影響は多岐にわたります。特に、筋力低下、骨密度の減少、循環血液量の低下、呼吸機能の低下などがよく見られます。また、認知機能や心理的影響も重要な観点なので、全身的な変化を幅広く理解しておきましょう。