神経系の感染症と病原体の組合せで正しいのはどれか。
- HIV脳症 ─── スピロヘータ
- 急性灰白髄炎 ─── ウイルス
- Creutzfeldt-Jakob病 ─── 細菌
- 進行麻痺 ─── ウイルス
- 日本脳炎 ─── 細菌
解答解説
正解は2です。
急性灰白髄炎(ポリオ)は、ポリオウイルス(エンテロウイルス属)による感染症で、主に脊髄の前角細胞を侵し、弛緩性麻痺を引き起こします。これはウイルス感染症に特有の疾患です。
選択肢の解説
- HIV脳症 ─── スピロヘータ
誤りです。HIV脳症は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)による中枢神経系の感染症であり、スピロヘータ(梅毒の原因菌)とは関係ありません。 - 急性灰白髄炎 ─── ウイルス
正解です。急性灰白髄炎は、ポリオウイルス感染による神経系疾患で、特に小児に多くみられます。現在はワクチンによりほぼ根絶されています。 - Creutzfeldt-Jakob病 ─── 細菌
誤りです。Creutzfeldt-Jakob病(CJD)は、プリオンと呼ばれる異常タンパク質による疾患であり、細菌感染ではありません。プリオン病は感染症とは異なる病態です。 - 進行麻痺 ─── ウイルス
誤りです。進行麻痺は梅毒の末期に起こる中枢神経系の障害で、原因はスピロヘータ(梅毒トレポネーマ)です。ウイルスではありません。 - 日本脳炎 ─── 細菌
誤りです。日本脳炎は、日本脳炎ウイルス(フラビウイルス属)による感染症で、蚊を媒介して感染します。細菌は関与していません。
ワンポイントアドバイス
神経系感染症と病原体の関連は頻出です。ウイルス感染(ポリオウイルス、日本脳炎ウイルスなど)、細菌感染(スピロヘータによる進行麻痺)、および非感染性疾患(プリオン病)の違いを明確に整理しましょう。また、ワクチンで予防可能な疾患(ポリオ、日本脳炎)は特に重要です。