第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題87

外傷による骨折で、通常、完全骨折となるのはどれか。

  1. 亀裂骨折
  2. 若木骨折
  3. 竹節骨折
  4. 圧迫骨折
  5. 剝離骨折

解答解説

正解は5です。

剝離骨折は、腱や靭帯に引っ張られる力によって骨片が完全に剝がれる骨折であり、通常完全骨折として分類されます。この骨折は外傷に伴い、骨片が元の骨から明確に離れている状態となるため、完全骨折に該当します。

選択肢の解説

  1. 亀裂骨折
    誤りです。亀裂骨折は骨の表面に細かい亀裂が入る骨折で、完全骨折ではありません。骨全体の構造が破壊されるわけではなく、不完全骨折に分類されます。
  2. 若木骨折
    誤りです。若木骨折は小児に特有の不完全骨折で、柔軟性のある骨が一部だけ折れる状態です。完全骨折ではありません。
  3. 竹節骨折
    誤りです。竹節骨折は病的骨折(骨の病変が原因)や疲労骨折の一形態で、骨が竹の節のように折れる特徴を持つ場合がありますが、通常は不完全骨折に分類されます。
  4. 圧迫骨折
    誤りです。圧迫骨折は椎体などに見られる骨の一部が押しつぶされるような骨折で、完全骨折ではなく、部分的な損傷が中心です。
  5. 剝離骨折
    正解です。剝離骨折は完全骨折に分類されるもので、靭帯や腱に強い力がかかり、骨片が完全に骨本体から引き離される状態です。

ワンポイントアドバイス

骨折の分類では、完全骨折不完全骨折を区別することが重要です。完全骨折には剝離骨折や横骨折などが含まれ、不完全骨折には亀裂骨折や若木骨折が含まれます。また、発生原因(外傷、病的、疲労)も分類のポイントとして押さえておきましょう。