神経性無食欲症で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 骨密度は増加する。
- 消化管の吸収不全がある。
- 病識を持たないことが多い。
- 食物に対する関心が低下する。
- ボディイメージの歪みがある。
解答解説
正解は3. 病識を持たないことが多いと5. ボディイメージの歪みがあるです。
解説
神経性無食欲症(摂食障害の一つ)は、体型や体重に対する強い執着や恐怖感を伴う精神疾患です。患者は体重を著しく制限し、栄養不足から身体的・心理的な問題を引き起こします。
各選択肢の解説
- 骨密度は増加する(誤り)
- 栄養不足やホルモンバランスの崩壊(エストロゲンの低下など)により、骨密度は低下します。これにより骨粗鬆症のリスクが増加します。
- 消化管の吸収不全がある(誤り)
- 神経性無食欲症では主に摂食量の低下が原因であり、消化管自体の吸収能力の低下はありません。ただし、長期的な飢餓状態や電解質異常により消化管機能が低下することがあります。
- 病識を持たないことが多い(正解)
- 患者は自分の病的な行動を認識していない場合が多く、治療への抵抗を示すことがあります。また、体重増加に対して強い恐怖心を抱くため、治療を避ける傾向があります。
- 食物に対する関心が低下する(誤り)
- 患者は食物に対する関心がむしろ高まり、料理や食品に関する話題に執着することがあります。ただし、食べることそのものを避けるために、食事を制限します。
- ボディイメージの歪みがある(正解)
- 神経性無食欲症の特徴の一つは、ボディイメージの歪みです。自分が太っていると思い込み、実際には痩せすぎていても体重を減らそうとします。
神経性無食欲症の特徴
- 身体的特徴:低体重、月経停止、骨密度低下、脱毛。
- 心理的特徴:病識の欠如、ボディイメージの歪み、食物への執着。
- 治療の課題:患者が自分の状態を認識していないため、治療への協力を得ることが困難。
ワンポイントアドバイス
神経性無食欲症では、身体的な症状(骨密度低下、低栄養)と心理的な特徴(病識の欠如、ボディイメージの歪み)をしっかり区別して覚えましょう。患者の食物に対する態度(興味はあるが食べたくない)も重要なポイントです。