第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題81

無意識的な葛藤を洞察して精神症状を和らげようとするのはどれか。

  1. 催眠療法
  2. 行動療法
  3. 芸術療法
  4. 自律訓練法
  5. 精神分析療法

解答解説

正解は5. 精神分析療法です。

解説

精神分析療法は、ジークムント・フロイトによって提唱された心理療法の一つです。無意識に存在する葛藤やトラウマを洞察し、それによって生じている精神症状を改善しようとするものです。以下に各選択肢について説明します:

  1. 催眠療法
    催眠療法は、催眠状態を活用して患者の行動や感情を改善する方法で、無意識を扱うこともありますが、洞察による治療が主目的ではありません。
  2. 行動療法
    行動療法は、問題行動を修正するために具体的な行動に焦点を当てる療法で、無意識や葛藤の洞察を重視しません。
  3. 芸術療法
    芸術療法は、芸術活動を通じて感情を表現し、心理的な治療を図る方法です。無意識を扱うこともありますが、主に表現活動が中心です。
  4. 自律訓練法
    自律訓練法は、自己暗示によってリラックスやストレス緩和を図る方法で、無意識や葛藤に直接的に焦点を当てるものではありません。
  5. 精神分析療法
    精神分析療法では、自由連想法や夢分析などを通じて無意識の内容を意識化し、患者が自身の問題の原因を理解し解決することを目的とします。これが設問の「無意識的な葛藤を洞察する」に該当します。

ワンポイントアドバイス

精神分析療法の特徴は、「無意識の解釈」を通じて患者が自己理解を深めることにあります。一方、行動療法や自律訓練法は直接的な行動やリラックス法に焦点を当てるため、心理療法のアプローチの違いを押さえておきましょう。