第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題2

Danielsらの徒手筋力テストにおける段階4の検査法で正しいのはどれか。

  1. 肩関節屈曲
  2. 肩関節伸展
  3. 肘関節屈曲
  4. 股関節屈曲
  5. 膝関節屈曲

解答解説

正解は4. 股関節屈曲です。

解説

Danielsらの徒手筋力テスト(MMT: Manual Muscle Testing)は、筋力を0〜5の段階で評価する方法です。段階4は、筋が重力に抗して運動を行い、かつ抵抗を加えた際に動きを維持できるレベルを示します。図に示された検査法のうち、選択肢4の方法が段階4の評価基準に合致しています。

各選択肢の解説

  1. 肩関節屈曲(誤り)
    • 図の方法では肩関節屈曲の動作を検査していますが、力が入る方向と抵抗を加える方向が適切ではありません。この方法では段階4の評価に用いるとは言えません。
  2. 肩関節伸展(誤り)
    • 肩関節伸展の検査として用いることはできますが、段階4を評価する際には抵抗の加え方が不足しています。この姿勢では重力に抗する動作が中心となります。
  3. 肘関節屈曲(誤り)
    • 肘関節屈曲の評価に用いますが、この図では重力を補助的に取り除いた形での検査が中心であり、段階4に必要な抵抗が十分ではありません。
  4. 股関節屈曲(正解)
    • この方法は、股関節屈曲筋群(大腿直筋、腸腰筋など)の筋力を評価します。
    • 被検者が重力に抗して股関節を屈曲した状態で、検者が追加の抵抗を加え、その動作が保持できるかを評価します。これが段階4の検査法に該当します。
  5. 膝関節屈曲(誤り)
    • この図では膝関節屈曲筋群(ハムストリングス)の評価を行っていますが、被検者の動作が重力に抗するだけの条件で行われています。段階4の抵抗を加えた評価には不適切です。

ワンポイントアドバイス

徒手筋力テストでは段階4以上の評価で抵抗の有無と筋の動きを保持できるかどうかが重要なポイントとなります。正確な姿勢と抵抗の加え方を確認しながら評価する方法を覚えておきましょう。