心理療法で正しいのはどれか。
- 陽性転移の出現を目標とする。
- 逆転移を認識したときは治療を中止する。
- 自律訓練法では不安階層表を作成させる。
- 絵画療法は統合失調症急性期に有効である。
- バイオフィードバックはオペラント条件付けを用いた手法である。
解答解説
正解は5です。
バイオフィードバックは、生体の生理的活動(心拍数、筋電位など)を視覚や聴覚などで患者にフィードバックし、意図的にそれを調整する技法です。これはオペラント条件付け(行動が結果によって強化される学習)を利用した手法の一例です。
選択肢の解説
- 陽性転移の出現を目標とする。
誤りです。陽性転移(患者が治療者に対して愛情や尊敬の感情を抱く現象)は治療過程で生じることがありますが、これは治療の目標ではありません。陽性転移は治療に利用される場合もありますが、必ずしも望ましいものではありません。 - 逆転移を認識したときは治療を中止する。
誤りです。逆転移(治療者が患者に対して無意識に感情を抱くこと)は、治療者が適切に認識し管理することが重要であり、治療を中止する必要はありません。 - 自律訓練法では不安階層表を作成させる。
誤りです。不安階層表は系統的脱感作法(恐怖症治療のための技法)で用いられるものであり、自律訓練法(リラックスや自己制御を目的とする方法)では使用しません。 - 絵画療法は統合失調症急性期に有効である。
誤りです。統合失調症急性期では患者が混乱しやすいため、絵画療法のような表現療法は適さない場合が多いです。急性期には薬物療法や環境調整が優先されます。 - バイオフィードバックはオペラント条件付けを用いた手法である。
正解です。バイオフィードバックは患者が生理的反応を意図的にコントロールすることを学ぶ技法であり、その過程にオペラント条件付けが用いられます。例えば、リラックスを促進することで筋緊張や血圧を下げることが可能です。
ワンポイントアドバイス
心理療法の種類や手法の具体的な特徴を理解することが重要です。特にバイオフィードバックのような技法は、行動療法の一環として活用されるため、オペラント条件付けや系統的脱感作法などとの違いを整理して覚えましょう。