アテトーゼ型脳性麻痺に残存しやすい原始反射はどれか。
- 吸啜反射
- 手掌把握反射
- 陽性支持反射
- 交叉性伸展反射
- 対称性緊張性頸反射
解答解説
正解は5. 対称性緊張性頸反射です。
解説
アテトーゼ型脳性麻痺は、錐体外路系の障害により筋緊張の変動や不随意運動が特徴です。このタイプの脳性麻痺では、緊張性反射が特に強く残存することが知られています。その中でも対称性緊張性頸反射(STNR)の影響が顕著です。
対称性緊張性頸反射(STNR)の特徴
- 定義:頭部の屈曲や伸展によって上下肢の筋緊張が変化する反射。
- 頭を屈曲:上肢が屈曲し、下肢が伸展する。
- 頭を伸展:上肢が伸展し、下肢が屈曲する。
- 残存の影響:移動や姿勢制御が困難になり、四つ這いや歩行の発達が妨げられることがあります。
- アテトーゼ型脳性麻痺では特に残存しやすく、動作の制御に影響を及ぼす。
他の選択肢の解説
- 吸啜反射(誤り)
- 新生児期に見られる口の吸引反射で、通常は数ヶ月で消失します。
- アテトーゼ型では残存することは少なく、他の反射(緊張性反射)の影響が大きいです。
- 手掌把握反射(誤り)
- 手掌に触れると握りしめる反射で、新生児期に見られます。
- この反射は強縮型脳性麻痺で残存しやすく、アテトーゼ型では目立ちません。
- 陽性支持反射(誤り)
- 足底が地面に触れると下肢が伸展する反射です。
- これは痙直型脳性麻痺において残存が問題となることが多いです。
- 交叉性伸展反射(誤り)
- 一側の下肢を刺激すると、反対側の下肢が伸展する反射です。
- 新生児期に見られ、通常は消失しますが、残存する場合は痙直型で問題となることが多いです。
- 対称性緊張性頸反射(正解)
- アテトーゼ型脳性麻痺で特に残存しやすく、動作の障害に直結します。
ワンポイントアドバイス
原始反射や緊張性反射が残存するタイプの違いを理解しておくことが重要です。
- アテトーゼ型脳性麻痺:緊張性反射(STNRなど)が影響を及ぼす。
- 痙直型脳性麻痺:陽性支持反射や交叉性伸展反射が残存しやすい。
問題ごとにタイプと反射の関連性を整理しましょう。