第54回

第54回理学療法士国家試験 午前問題77

肺気量で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 1秒率=1秒量 ÷ % 肺活量
  2. 機能的残気量=予備吸気量+残気量
  3. 最大吸気量=1回換気量+予備吸気量
  4. 残気量=全肺気量-肺活量
  5. 肺活量=予備吸気量+予備呼気量

解答解説

正解は3. 最大吸気量=1回換気量+予備吸気量4. 残気量=全肺気量-肺活量です。

解説

肺気量の用語と計算は、呼吸機能検査の理解に必要な基本知識です。以下に正しい選択肢と誤りを解説します。

正しい選択肢

  1. 最大吸気量=1回換気量+予備吸気量(正解)
    • 最大吸気量(Inspiratory Capacity)は、通常の呼吸(1回換気量)に加え、予備吸気量を合わせた量を指します。
    • 計算式:最大吸気量 = 1回換気量 + 予備吸気量
  2. 残気量=全肺気量-肺活量(正解)
    • 残気量(Residual Volume)は、呼気を最大限に行った後も肺内に残る空気量で、全肺気量から肺活量を引いた値で求められます。
    • 計算式:残気量 = 全肺気量 – 肺活量

誤りの選択肢

  1. 1秒率=1秒量 ÷ % 肺活量(誤り)
    • 1秒率は、1秒量(努力呼気で最初の1秒間に吐き出せる量)を、努力肺活量(FVC)で割った値です。%肺活量との計算は誤りです。
    • 正しい計算式:1秒率 = 1秒量 ÷ 努力肺活量
  2. 機能的残気量=予備吸気量+残気量(誤り)
    • 機能的残気量(Functional Residual Capacity)は、通常の呼気終了時に肺内に残る空気量を指し、予備吸気量は含みません。
    • 正しい計算式:機能的残気量 = 残気量 + 予備呼気量
  3. 肺活量=予備吸気量+予備呼気量(誤り)
    • 肺活量(Vital Capacity)は、予備吸気量、1回換気量、予備呼気量の合計です。予備吸気量と予備呼気量だけではありません。
    • 正しい計算式:肺活量 = 予備吸気量 + 1回換気量 + 予備呼気量

まとめ

肺気量の主な関係式

  1. 肺活量:予備吸気量 + 1回換気量 + 予備呼気量
  2. 機能的残気量:残気量 + 予備呼気量
  3. 最大吸気量:1回換気量 + 予備吸気量
  4. 残気量:全肺気量 – 肺活量

ワンポイントアドバイス

肺気量の各項目の意味と計算式を整理して覚えましょう。1秒率の計算には注意し、%肺活量ではなく努力肺活量を分母とする点を忘れないようにしてください。