第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題79

障害受容で誤っているのはどれか。

  1. 社会環境によって影響される。
  2. 障害者同士の交流により促進される。
  3. 抑うつ状態の患者には積極的な指導を行う。
  4. 混乱している患者の怒りは医療者にも向く。
  5. ショックを受けている状態の患者は安全に見守る。

解答解説

正解は3です。

障害受容のプロセスにおいて、抑うつ状態の患者に対して積極的な指導を行うことは不適切です。抑うつ状態では患者の心理的負担を軽減することが優先され、無理な指導や過剰なアプローチは避けるべきです。むしろ、患者の気持ちに寄り添い、十分な時間をかけて信頼関係を築くことが重要です。

選択肢の解説

  1. 社会環境によって影響される。
    正しいです。障害受容は患者個人の問題だけでなく、家族、社会環境、経済的状況などの外部要因にも大きく影響を受けます。
  2. 障害者同士の交流により促進される。
    正しいです。障害を持つ人々の交流は、情報共有や共感を通じて障害受容を促進する重要な支援の一つです。
  3. 抑うつ状態の患者には積極的な指導を行う。
    誤りです。抑うつ状態では患者は心理的に脆弱な状態にあるため、積極的な指導は避けるべきです。無理のない範囲で患者のペースに合わせた支援が求められます。
  4. 混乱している患者の怒りは医療者にも向く。
    正しいです。障害を受容する過程での「怒り」の感情は、医療者を含む周囲の人々に向けられることがあります。これを適切に理解し、感情を受け止めることが必要です。
  5. ショックを受けている状態の患者は安全に見守る。
    正しいです。ショック状態の患者は、不安や混乱が強い状態にあるため、無理に介入せず、安全な環境を提供しながら見守ることが適切です。

ワンポイントアドバイス

障害受容のプロセス(ショック、否認、怒り、抑うつ、受容)を理解し、それぞれの段階に応じた適切な対応を行うことが重要です。特に心理的に脆弱な段階では、焦らずに患者のペースを尊重し、支援を行うことを心がけましょう。