創傷治癒を遅延させるのはどれか。
- 亜鉛
- アミノ酸
- 酸素
- ビタミンC
- 副腎皮質ステロイド
解答解説
正解は5です。
副腎皮質ステロイドは炎症反応を抑制する作用があり、創傷治癒の遅延を引き起こします。具体的には、炎症期におけるマクロファージや白血球の働きを抑制し、線維芽細胞の増殖やコラーゲン合成を阻害するため、肉芽形成や組織修復が遅れます。
選択肢の解説
- 亜鉛
誤りです。亜鉛は線維芽細胞やコラーゲン合成に必要な栄養素で、創傷治癒を促進します。不足すると治癒が遅れる可能性があります。 - アミノ酸
誤りです。アミノ酸は組織修復の材料となるタンパク質の合成に不可欠で、創傷治癒に重要な役割を果たします。 - 酸素
誤りです。酸素は新生血管の形成や線維芽細胞の活性化に必要で、創傷治癒に欠かせません。低酸素状態では治癒が遅れます。 - ビタミンC
誤りです。ビタミンCはコラーゲン合成を助け、創傷治癒を促進します。ビタミンC不足は創傷治癒を遅延させます。 - 副腎皮質ステロイド
正解です。副腎皮質ステロイドは炎症や免疫反応を抑制するため、創傷治癒の各段階(炎症期、増殖期、成熟期)における細胞活動を抑え、治癒が遅延します。
ワンポイントアドバイス
創傷治癒の過程(炎症期、増殖期、成熟期)を理解し、それぞれの段階で必要な要因(栄養素、酸素、血流など)を把握しておきましょう。また、副腎皮質ステロイドの影響は炎症抑制の利点もありますが、創傷治癒を遅延させる欠点があるため、臨床での使用状況を把握しておくことも重要です。