第54回

第54回理学療法士国家試験 午前問題34

脳卒中片麻痺患者に用いられる評価法で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. FMA(Fugl-Meyer assessment)はADLの評価を含む。
  2. JSS(Japan Stroke Scale)は関節可動域の評価を含む。
  3. mRSは歩行速度の評価を含む。
  4. NIHSSは意識状態の評価を含む。
  5. SIASは非麻痺側機能の評価を含む。

解答解説

正解は4. NIHSSは意識状態の評価を含む5. SIASは非麻痺側機能の評価を含むです。

解説

脳卒中片麻痺患者に対する評価法は、患者の状態を多面的に評価する目的で使用されます。それぞれの評価法の特徴を以下に解説します。

各評価法の特徴

  1. FMA(Fugl-Meyer Assessment)(誤り)
    • FMAは片麻痺患者の運動機能を評価する標準的な方法であり、運動、感覚、平衡、関節可動域、疼痛の評価を行います。
    • ADLの評価は含まれません(ADL評価にはBarthel Indexなどが用いられます)。
  2. JSS(Japan Stroke Scale)(誤り)
    • JSSは脳卒中の重症度を評価するスコアで、意識状態や運動麻痺、感覚障害などを評価します。
    • 関節可動域の評価は含まれません。関節可動域は別の評価法(例:ROM測定)を用います。
  3. mRS(Modified Rankin Scale)(誤り)
    • mRSは患者の障害度や生活の自立度を評価する指標です。
    • 歩行速度の評価は含まれません。歩行速度は6分間歩行テストや10m歩行テストなどを用いて評価します。
  4. NIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)(正解)
    • NIHSSは脳卒中の重症度を評価するスケールで、意識状態、運動麻痺、感覚障害、視野障害、言語障害などを含む広範な評価を行います。
  5. SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)(正解)
    • SIASは脳卒中患者の障害を多角的に評価する方法で、運動機能、感覚、バランス、痛みなどを評価します。
    • 非麻痺側の動きや機能も含めて評価を行います。

選択肢の解説

  1. FMA(誤り)
    • FMAは運動機能評価が主であり、ADLの評価は含まれません。
  2. JSS(誤り)
    • JSSは脳卒中重症度評価であり、関節可動域の評価は行いません。
  3. mRS(誤り)
    • mRSは障害度や自立度の評価指標であり、歩行速度の評価は含まれません。
  4. NIHSS(正解)
    • 意識状態の評価を含む脳卒中の重症度スケールで、正解です。
  5. SIAS(正解)
    • 非麻痺側の機能を含む多角的評価が可能で、正解です。

ワンポイントアドバイス

脳卒中評価法では、それぞれのスケールが何を評価するのかを明確に区別して覚えましょう。NIHSS(重症度評価)とSIAS(多角的評価)は重要度が高く、試験でも頻出です。FMAやmRSは、何を評価するかに注意して整理しましょう。