重症筋無力症で正しいのはどれか。
- 胸腺の異常を伴うことが多い。
- Parkinson病より患者数が多い。
- テンシロン試験で症状が悪化する。
- 血清クレアチンキナーゼが上昇する。
- 誘発筋電図の反復刺激試験で振幅の漸増を認める。
解答解説
正解は1です。
重症筋無力症は、神経筋接合部における自己免疫疾患であり、胸腺の異常(胸腺腫や胸腺過形成)を伴うことが多いです。胸腺異常が自己免疫反応を引き起こす主因と考えられています。
選択肢の解説
- 胸腺の異常を伴うことが多い。
正解です。重症筋無力症の患者では、胸腺腫や胸腺の過形成が頻繁にみられます。胸腺摘出術が治療に用いられることもあります。 - Parkinson病より患者数が多い。
誤りです。重症筋無力症は比較的稀な疾患であり、Parkinson病の患者数の方が多いです。 - テンシロン試験で症状が悪化する。
誤りです。テンシロン試験(エドロホニウム試験)では、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の投与により一時的に症状が改善するのが特徴です。 - 血清クレアチンキナーゼが上昇する。
誤りです。血清クレアチンキナーゼ(CK)の上昇は筋疾患(例:筋ジストロフィー)にみられる所見であり、重症筋無力症ではCK値は正常です。 - 誘発筋電図の反復刺激試験で振幅の漸増を認める。
誤りです。重症筋無力症では、反復刺激試験で筋電図の振幅が漸減する(漸減現象)ことが特徴です。
ワンポイントアドバイス
重症筋無力症では、胸腺異常、漸減現象(反復刺激試験)、テンシロン試験での一時的症状改善が特徴です。また、自己抗体(抗AChR抗体や抗MuSK抗体)の存在も診断に重要なポイントとなります。これらの特徴を整理して覚えておきましょう。