第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題78

Erikson による発達段階で学童期に獲得すべき課題はどれか。

  1. 勤勉性
  2. 積極性
  3. 自律性
  4. 親密性
  5. 同一性

解答解説

正解は1. 勤勉性です。

解説

Eriksonの心理社会的発達理論では、人の一生を8つの発達段階に分け、それぞれに対応する課題を克服することで健全な発達が促されるとされています。学童期(6歳から12歳頃)は、「勤勉性対劣等感」が課題であり、子どもは勉強やスポーツ、社会的スキルを身につけることで勤勉性を養います。達成感や成功体験を得られないと劣等感を抱く可能性があります。

  1. 勤勉性
    学童期の課題であり、正解です。知識やスキルを習得する経験を通して、自己効力感が高まります。
  2. 積極性
    これは幼児期後半(3歳から5歳頃)の課題で、「積極性対罪悪感」に関連します。この段階では子どもが自分で物事を計画し実行しようとする積極性を発展させます。
  3. 自律性
    これは幼児期前半(1歳半から3歳頃)の課題で、「自律性対恥・疑惑」に関連します。トイレトレーニングなどの経験を通じて、自律性を養う段階です。
  4. 親密性
    これは成人期前半(20代から30代頃)の課題で、「親密性対孤独」に関連します。他者との親密な関係を構築することが課題です。
  5. 同一性
    これは青年期(10代後半から20代前半)の課題で、「同一性対同一性拡散」に関連します。自分が何者であるかを認識し、アイデンティティを確立する段階です。

ワンポイントアドバイス

Eriksonの発達理論では、それぞれの段階の課題を克服することで次のステージへの準備が整います。学童期における勤勉性の獲得は、子どもの将来的な自己肯定感や学習意欲の基盤となるため、この時期に適切なサポートを行うことが重要です。