疾患と病理学的変化の組合せで正しいのはどれか。
- Parkinson病 ―― 大脳白質の変性
- 多発性硬化症 ―― 中枢神経の脱髄
- Lewy小体型認知症 ―― 大脳白質の虚血
- 筋萎縮性側索硬化症 ―― 脊髄後索の変性
- Guillain-Barré症候群 ―― 脊髄前角の変性
解答解説
正解は2です。
多発性硬化症(MS: Multiple Sclerosis)は、中枢神経系(脳や脊髄)の脱髄を特徴とする疾患です。免疫系の異常によって神経の髄鞘が破壊され、神経伝達が障害されます。この脱髄は斑状に発生し、視覚障害、運動障害、感覚障害など多様な症状を引き起こします。
選択肢の解説
- Parkinson病 ―― 大脳白質の変性
誤りです。Parkinson病の病理学的変化は中脳黒質(特にドーパミン神経)の変性であり、大脳白質の変性ではありません。 - 多発性硬化症 ―― 中枢神経の脱髄
正解です。多発性硬化症は中枢神経の脱髄を特徴とし、免疫系の異常が原因で神経伝達が障害されます。 - Lewy小体型認知症 ―― 大脳白質の虚血
誤りです。Lewy小体型認知症の病理学的特徴は、Lewy小体(異常なタンパク質凝集体)が大脳皮質や脳幹に存在することであり、大脳白質の虚血ではありません。 - 筋萎縮性側索硬化症 ―― 脊髄後索の変性
誤りです。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病理学的変化は、脊髄前角や側索の運動ニューロンの変性であり、脊髄後索(感覚伝導路)ではありません。 - Guillain-Barré症候群 ―― 脊髄前角の変性
誤りです。Guillain-Barré症候群は末梢神経の脱髄性疾患であり、中枢神経の脊髄前角の変性ではありません。
ワンポイントアドバイス
各疾患の病理学的特徴を整理して覚える際、部位(中枢 or 末梢)、病態(脱髄 or 変性)を軸に理解すると分かりやすくなります。特に多発性硬化症(中枢の脱髄)とGuillain-Barré症候群(末梢の脱髄)は混同しやすいので注意が必要です。