脊髄損傷による対麻痺患者に対して立位・歩行練習を行う目的として誤っているのはどれか。
- 痙縮の減弱
- 褥瘡の予防
- 異常疼痛の抑制
- 骨粗鬆症の予防
- 消化管運動の促進
解答解説
正解は3. 異常疼痛の抑制です。
解説
脊髄損傷患者に対する立位・歩行練習の主な目的は、身体の機能維持や全身の健康管理を目的としています。ただし、異常疼痛(神経障害性疼痛)の抑制は、立位や歩行練習の直接的な目的ではありません。以下に各選択肢を解説します。
各選択肢の解説
- 痙縮の減弱(正しい)
- 立位や歩行練習により関節や筋肉への適度な負荷がかかることで、痙縮が軽減することがあります。
- これは脊髄損傷患者に対する重要な目的の一つです。
- 褥瘡の予防(正しい)
- 長時間の臥床による圧迫を軽減し、血流を改善することで褥瘡を予防します。立位練習はこれに有効です。
- 異常疼痛の抑制(誤り)
- 異常疼痛は神経障害性疼痛として知られ、脊髄損傷による神経の異常な興奮が主な原因です。
- これは薬物治療や神経ブロックが主な治療法であり、立位・歩行練習の直接的な効果とは関連しません。
- 骨粗鬆症の予防(正しい)
- 骨への荷重刺激を与えることで、骨密度の低下(骨粗鬆症)を予防します。立位練習はその点で非常に効果的です。
- 消化管運動の促進(正しい)
- 立位や歩行練習によって、腸管への刺激が増加し、蠕動運動が促進されます。これにより便秘の予防や消化機能の改善が期待できます。
ワンポイントアドバイス
立位や歩行練習の目的として、循環改善、褥瘡予防、骨密度の維持、消化管機能の向上などが挙げられます。一方、異常疼痛は神経系の問題であるため、立位・歩行練習では直接的に改善しないことを覚えておきましょう。