成人の正常立位姿勢で正しいのはどれか。
- 腰仙角は約10度である。
- 胸椎と仙椎は前弯を示す。
- 矢状面上における重心は仙骨の後方に位置する。
- 矢状面における身体の重心線は足関節中心を通る。
- 両上前腸骨棘と恥骨結合を含む面は前額面とほぼ一致する。
解答解説
正解は5です。
両上前腸骨棘(ASIS)と恥骨結合を含む面は、成人の正常立位姿勢において前額面とほぼ一致します。この位置関係は骨盤のニュートラルポジションを維持するために重要であり、体幹と下肢の適切なアライメントに寄与します。
選択肢の解説
- 腰仙角は約10度である。
誤りです。正常な成人の腰仙角は約30〜40度です。10度は通常の範囲よりもかなり小さく、正常な姿勢を反映していません。 - 胸椎と仙椎は前弯を示す。
誤りです。胸椎と仙椎は後弯(円背)を示し、一方で頸椎と腰椎は前弯(反り)を示します。 - 矢状面上における重心は仙骨の後方に位置する。
誤りです。正常立位における矢状面の重心は、仙骨の前方(仙骨岬付近)に位置します。仙骨の後方では重心が不安定となります。 - 矢状面における身体の重心線は足関節中心を通る。
誤りです。正常立位では、身体の重心線は足関節中心のやや前方を通ります。この位置関係はバランスを維持するために重要です。 - 両上前腸骨棘と恥骨結合を含む面は前額面とほぼ一致する。
正解です。この位置関係は骨盤の適切な位置を示す指標であり、立位姿勢の評価において重要なポイントです。
ワンポイントアドバイス
正常立位姿勢の評価では、脊柱の生理的弯曲(頸椎と腰椎の前弯、胸椎と仙椎の後弯)、重心位置(仙骨前方、足関節前方)、骨盤の中立位(ASISと恥骨結合が前額面に一致)を押さえておくことが重要です。姿勢評価は臨床でも頻出のテーマなので、しっかりと理解しましょう。