排便機構で正しいのはどれか。
- 排便中枢は胸髄にある。
- 外肛門括約筋は陰部神経支配である。
- 下行結腸では逆蠕動運動がみられる。
- 食事によって胃が拡張すると便意を生じる。
- 内肛門括約筋は副交感神経の緊張で収縮する。
解答解説
正解は2です。
外肛門括約筋は随意筋であり、陰部神経によって支配されています。これは排便を自分の意思で制御するために重要な役割を果たします。
選択肢の解説
- 排便中枢は胸髄にある。
誤りです。排便中枢は仙髄(S2~S4)にあります。ここで副交感神経が調節され、直腸や肛門の活動を制御します。 - 外肛門括約筋は陰部神経支配である。
正解です。外肛門括約筋は随意筋であり、陰部神経の支配を受けています。この神経によって、排便時に括約筋を意識的に開くことが可能となります。 - 下行結腸では逆蠕動運動がみられる。
誤りです。通常、下行結腸では内容物を直腸に送り出す蠕動運動が起こります。逆蠕動運動は腸の他の部位(例:小腸や上行結腸)で見られる場合があります。 - 食事によって胃が拡張すると便意を生じる。
誤りです。食事による胃の拡張は胃結腸反射を引き起こし、大腸の動きが活発になりますが、これが必ずしも即座に便意を生じるわけではありません。 - 内肛門括約筋は副交感神経の緊張で収縮する。
誤りです。内肛門括約筋は平滑筋であり、自律的に働きます。交感神経の緊張により収縮し、副交感神経の作用により弛緩します。
ワンポイントアドバイス
排便機構は、自律神経(副交感神経と交感神経)と体性神経(陰部神経)の連携によって制御されます。外肛門括約筋(随意筋)は排便の意思を制御する重要な要素であり、直腸や内肛門括約筋(平滑筋)は反射的に調整されています。この仕組みを理解すると関連問題にも対応しやすくなります。