第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題72

右膝の内側面を図に示す。矢印の筋の作用で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 股伸展
  2. 股内転
  3. 股外旋
  4. 膝伸展
  5. 膝屈曲

解答解説

正解は3と5です。

矢印が示している筋は縫工筋です。縫工筋は股関節と膝関節をまたぐ二関節筋で、股関節では外旋・屈曲、膝関節では屈曲や内旋に関与します。図示される位置と走行から、この筋が縫工筋であることがわかります。

選択肢の解説

  1. 股伸展
    誤りです。縫工筋は股関節の屈曲に関与するため、股関節の伸展には関与しません。
  2. 股内転
    誤りです。縫工筋は股関節の外旋や屈曲には関与しますが、内転には直接的な関与はありません。
  3. 股外旋
    正解です。縫工筋は股関節を外旋させる作用を持っています。これにより股関節の外旋動作を補助します。
  4. 膝伸展
    誤りです。膝関節の伸展には主に大腿四頭筋が関与します。縫工筋は膝関節を屈曲させる作用を持つため、伸展には関与しません。
  5. 膝屈曲
    正解です。縫工筋は膝関節を屈曲させる作用を持ちます。また、屈曲した状態での膝関節の内旋にも関与します。

ワンポイントアドバイス

縫工筋は「股関節の屈曲、外旋」および「膝関節の屈曲、内旋」に関与する二関節筋です。大腿部の長い筋として、解剖学的にその走行や作用を覚えておくことは、筋骨格系の試験対策に有効です。また、縫工筋は股関節と膝関節の動きにまたがって作用するため、二関節筋の特徴も整理しておくと良いでしょう。