喚語困難と迂言を呈し、発話は流暢で良好な理解と復唱を特徴とする失語症はどれか。
- 健忘失語
- 伝導失語
- Wernicke失語
- 超皮質性運動失語
- 超皮質性感覚失語
解答解説
正解は1です。
健忘失語は、喚語困難と迂言(適切な言葉が出てこないために遠回りな表現をする)を特徴とする失語症で、発話は流暢であり、理解と復唱も良好です。この失語症は左側頭頂接合部などの病変によって生じることが多く、言語の使用における軽度の障害が主な症状です。
選択肢の解説
- 健忘失語
正解です。健忘失語は喚語困難が主症状で、発話は流暢で理解と復唱も良好です。適切な単語を思い出せないために迂言が見られますが、全体的に軽度な失語症です。 - 伝導失語
誤りです。伝導失語では復唱が著しく障害されるのが特徴です。発話は流暢ですが、音韻性錯語(単語や音を間違える)が多く、復唱が健忘失語ほど良好ではありません。 - Wernicke失語
誤りです。Wernicke失語では発話は流暢ですが、言語理解が著しく障害されます。喚語困難や迂言は見られることもありますが、復唱も障害されるため、健忘失語とは異なります。 - 超皮質性運動失語
誤りです。超皮質性運動失語では、発話が非流暢で自発的な言語表現が少なくなりますが、復唱は良好です。言語理解は比較的保たれます。 - 超皮質性感覚失語
誤りです。超皮質性感覚失語では、発話は流暢で復唱は良好ですが、言語理解が障害されます。健忘失語とは異なり、言葉の意味を把握する能力に問題が生じます。
ワンポイントアドバイス
失語症の種類を整理する際は、発話の流暢性、言語理解、復唱の3要素を基準に分類するとわかりやすいです。健忘失語は復唱と理解が良好で、喚語困難を主症状とする軽度の失語症であることを覚えておきましょう。