絞扼性神経障害における障害部位と症候の組合せで正しいのはどれか。
- 手根管 ―― 下垂手
- 足根管 ―― 足背の異常感覚
- 梨状筋 ―― 下腿内側の異常感覚
- 肘部管 ―― 涙滴徴候
- 腓骨頭 ―― 下垂足
解答解説
正解は5. 腓骨頭 下垂足です。
解説
絞扼性神経障害は、神経が解剖学的な狭い部位で圧迫されることによって起こる障害です。それぞれの神経障害は特定の症候と関連しています。本問題では、絞扼部位と典型的な症候の理解が必要です。
各選択肢の解説
- 手根管 ―― 下垂手(誤り)
- 手根管症候群は、正中神経の絞扼が原因であり、母指~環指半分の感覚障害や母指の対立運動の障害が主症状です。下垂手は橈骨神経麻痺で生じるため、誤りです。
- 足根管 ―― 足背の異常感覚(誤り)
- 足根管症候群は、脛骨神経が足根管で絞扼されることで起こり、足底の感覚障害や足底筋群の筋力低下が見られます。足背の感覚は腓骨神経が支配しているため、この選択肢は誤りです。
- 梨状筋 ―― 下腿内側の異常感覚(誤り)
- 梨状筋症候群は、坐骨神経が梨状筋で圧迫されることで起こります。坐骨神経の支配領域に沿った疼痛や感覚障害が見られますが、下腿内側の感覚障害は大腿神経支配の領域であり、誤りです。
- 肘部管 ―― 涙滴徴候(誤り)
- 肘部管症候群は、尺骨神経の絞扼で起こります。小指および環指の感覚障害や筋力低下がみられますが、「涙滴徴候」は関係ありません。この選択肢は誤りです。
- 腓骨頭 ―― 下垂足(正解)
- 腓骨神経が腓骨頭部で圧迫されることで起こる腓骨神経麻痺では、下垂足(足関節背屈不全)が典型的な症状です。この選択肢が正解です。
ワンポイントアドバイス
絞扼性神経障害の出題では、主に以下のポイントを押さえておきましょう:
- 手根管症候群(正中神経):母指球筋萎縮、手掌感覚障害。
- 肘部管症候群(尺骨神経):小指・環指感覚障害、巧緻動作障害。
- 梨状筋症候群(坐骨神経):殿部痛、下肢全体の痛みや感覚障害。
- 足根管症候群(脛骨神経):足底部の感覚障害。
- 腓骨神経麻痺(腓骨頭):下垂足、足背感覚障害。
神経の支配領域や絞扼部位を関連付けて覚えると、類似問題にも対応しやすくなります。