第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題71

肩関節外転90°の時の肩甲骨上方回旋角度で正しいのはどれか。

  1. 15°
  2. 30°
  3. 45°
  4. 60°
  5. 75°

解答解説

正解は2です。

肩関節外転時、肩甲上腕リズムにより肩甲骨が上方回旋します。肩関節外転90°のうち、肩甲骨の上方回旋角度は約30°です。肩甲骨と上腕骨の動きは2:1の比率で協調して動作が行われるのが特徴で、このリズムに基づいて肩関節全体の動きが成り立っています。

選択肢の解説

  1. 15°
    誤りです。肩関節外転90°では、肩甲骨の上方回旋角度は15°よりも大きくなります。15°は肩関節外転の初期段階での肩甲骨の動きに近い角度です。
  2. 30°
    正解です。肩関節外転90°では、肩甲骨が約30°の上方回旋を行います。肩甲上腕リズムにより、肩関節全体の動きを効率的に分担しています。
  3. 45°
    誤りです。45°は肩関節外転135°以上の時に肩甲骨が上方回旋する角度に近いです。90°の時点ではそこまで回旋しません。
  4. 60°
    誤りです。60°の上方回旋は肩関節外転180°近い範囲で見られる角度です。90°ではそこまで回旋しません。
  5. 75°
    誤りです。75°の上方回旋は肩甲骨単独では通常あり得ない大きな角度で、実際の運動範囲を超えています。

ワンポイントアドバイス

肩関節外転時の肩甲上腕リズム(2:1の比率)を理解しておくと、肩関節と肩甲骨の役割分担が明確になります。例えば、肩関節外転180°では肩甲骨が約60°、肩関節が約120°の動きを分担していることを覚えておきましょう。この比率は臨床的な動作解析や障害の評価でも重要です。