成人に対する一次救命処置で正しいのはどれか。
- 胸骨圧迫は1分間に100〜120回のテンポで行う。
- 胸骨圧迫は胸骨が1cm程度沈む強さで圧迫する。
- AEDによる電気ショック後には胸骨圧迫を行わない。
- 人工呼吸(口対口呼吸)の吹込みは続けて10回以上行う。
- 胸骨圧迫をしながらAEDによる電気ショックを与える。
解答解説
正解は1. 胸骨圧迫は1分間に100〜120回のテンポで行うです。
解説
成人に対する一次救命処置(BLS:Basic Life Support)は、心停止患者に対して迅速かつ適切な処置を行い、救命率を高めるための基本手技です。胸骨圧迫の質が救命の鍵であり、現在のガイドラインに基づいて適切な手技を理解することが重要です。
胸骨圧迫の基準
- 圧迫速度:1分間に100〜120回のテンポで行う。
- 圧迫の深さ:成人の場合、胸骨が少なくとも5cm沈むように圧迫する(過剰な圧迫は6cmを超えないよう注意)。
- 胸骨圧迫の中断を最小限にする:AEDの使用時も含めて中断を避ける。
AEDの使用時の注意点
- AEDによる電気ショック後にはすぐに胸骨圧迫を再開する。
- AEDが分析中やショックを与える際は胸骨圧迫を一時中断するが、ショック直後は再び圧迫を開始する。
人工呼吸の実施基準
- 口対口呼吸は1回あたり約1秒で、胸が上がるのを確認しながら実施する。過換気は避ける(10回以上続ける必要はない)。
選択肢の解説
- 胸骨圧迫は1分間に100〜120回のテンポで行う(正解)
- 現行のガイドラインに基づく正しい手技です。
- 胸骨圧迫は胸骨が1cm程度沈む強さで圧迫する(誤り)
- 成人では少なくとも5cmの深さで圧迫する必要があります。1cmでは不十分です。
- AEDによる電気ショック後には胸骨圧迫を行わない(誤り)
- AEDによる電気ショック後にはすぐに胸骨圧迫を再開します。胸骨圧迫を行わないのは誤りです。
- 人工呼吸(口対口呼吸)の吹込みは続けて10回以上行う(誤り)
- 人工呼吸は1回約1秒で胸が上がるのを確認しながら行い、過剰に続けて行う必要はありません。
- 胸骨圧迫をしながらAEDによる電気ショックを与える(誤り)
- AEDがショックを与える際は安全のために胸骨圧迫を中止します。その間も圧迫の中断時間を最小限に抑える努力が必要です。
ワンポイントアドバイス
胸骨圧迫の質が救命率に大きく影響します。圧迫速度(100〜120回/分)、圧迫の深さ(少なくとも5cm)、中断を最小限にすることがBLSの基本です。AED使用時の注意点も試験で頻出なので、正確に理解しておきましょう。