第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題62

副交感神経線維を含むのはどれか。2つ選べ。

  1. 動眼神経
  2. 滑車神経
  3. 内耳神経
  4. 迷走神経
  5. 舌下神経

解答解説

正解は1と4です。

動眼神経(第3脳神経)と迷走神経(第10脳神経)は、副交感神経線維を含んでいます。これらは副交感神経系の重要な構成要素であり、動眼神経は眼の瞳孔括約筋や毛様体筋を支配し、迷走神経は胸腹部の内臓(心臓、肺、胃腸など)の機能を調節します。

選択肢の解説

  1. 動眼神経
    正解です。動眼神経には副交感神経線維が含まれており、瞳孔括約筋を収縮させて瞳孔を縮小(縮瞳)させ、毛様体筋を収縮させて水晶体を厚くする(近くを見る調節)役割があります。
  2. 滑車神経
    誤りです。滑車神経(第4脳神経)は上斜筋を支配する運動神経で、副交感神経線維を含みません。
  3. 内耳神経
    誤りです。内耳神経(第8脳神経)は聴覚と平衡感覚を司る感覚神経であり、副交感神経線維は含まれていません。
  4. 迷走神経
    正解です。迷走神経は副交感神経系の主要な神経で、心臓や肺、胃腸など多くの内臓の活動を調節します。これにより、心拍数の減少や消化促進が行われます。
  5. 舌下神経
    誤りです。舌下神経(第12脳神経)は舌の運動を司る運動神経で、副交感神経線維は含まれていません。

ワンポイントアドバイス

副交感神経線維を含む脳神経は動眼神経(第3脳神経)顔面神経(第7脳神経)舌咽神経(第9脳神経)迷走神経(第10脳神経)の4つです。この分類を覚えておくと、試験での迷いが少なくなります。