85歳の男性。急性発症2日目の脳梗塞に対して、積極的に離床を行ってもよいのはどの場合か。
- 呼吸数 40/分
- 心拍数 80/分
- 神経症状の増悪
- 平均血圧 65 mmHg以上
- RASS〈Richmond Agitation Sedation Scale〉 -3
解答解説
正解は 2. 心拍数80/分 と 4. 平均血圧65 mmHg以上 です。
解説
急性期の脳梗塞では、適切な離床タイミングの判断が重要です。離床に際しては血行動態が安定していることが必要であり、循環・呼吸状態や神経症状を考慮します。
- 呼吸数40/分
呼吸数が40/分と高い場合は、呼吸不全や代謝性疾患が疑われ、安定した離床は行えません。この選択肢は不適切です。 - 心拍数80/分(正解)
心拍数が正常範囲内であり(60~100/分)、血行動態が安定しているため、離床を行う条件として適切です。この選択肢が正解です。 - 神経症状の増悪
神経症状の増悪(例:麻痺の進行や意識状態の悪化)がある場合は、脳血流の不安定や再梗塞の可能性があり、離床は不適切です。この選択肢は不適切です。 - 平均血圧65 mmHg以上(正解)
平均血圧(MAP)は、重要臓器への血流を維持する指標です。65 mmHg以上であれば血行動態が安定していると考えられ、離床が可能です。この選択肢が正解です。 - RASS -3
RASSが-3は、深い鎮静状態(ほぼ覚醒していない)を示しており、この状態で離床を行うことは不適切です。この選択肢は不適切です。
ワンポイントアドバイス
脳梗塞急性期における離床は、血行動態の安定と神経症状の悪化がないことが基本条件です。特に心拍数、血圧、意識レベルが安定しているかを確認することが重要です。また、無理な離床は症状の悪化を招くリスクがあるため、慎重な判断が求められます。