介護予防事業にて、図のようなテストで確認可能なのはどれか。
- フレイル
- サルコペニア
- ダイナペニア
- ロコモティブ症候群
- コンパートメント症候群
解答解説
正解は 2. サルコペニア です。
この図は、指輪っかテスト(Fingers-Circle Test)を示しています。このテストでは、両手の親指と人差し指で太もも(大腿部)を囲み、大腿部周径の確認を行います。筋量の減少が疑われる場合、指が余る、または指が重なり合う結果になります。この方法はサルコペニアのスクリーニングに用いられます。
サルコペニアとは
サルコペニアは、骨格筋量の減少に加え、筋力や身体機能の低下を伴う状態です。指輪っかテストはスクリーニングに適しており、筋量低下の早期発見に役立ちます。
各選択肢の解説
- フレイル
フレイルは身体的、精神的、社会的機能の低下を伴う状態で、サルコペニアもその一要素とされます。しかし、フレイル全体を評価するためには筋量のほかに、疲労感や体重減少などの指標が必要です。この選択肢は誤りです。 - サルコペニア(正解)
サルコペニアの評価では、筋量減少を確認することが重要であり、指輪っかテストは簡易的に筋量低下を推定するスクリーニング方法として有効です。この選択肢が正解です。 - ダイナペニア
ダイナペニアは筋力の低下を指しますが、必ずしも筋量減少を伴わないことがあります。指輪っかテストでは筋量を評価しているため、この選択肢は誤りです。 - ロコモティブ症候群
ロコモティブ症候群は、骨や関節、筋肉など運動器の障害により移動機能が低下した状態を指します。指輪っかテストでは運動機能全般の評価は行えないため、この選択肢は誤りです。 - コンパートメント症候群
コンパートメント症候群は、筋膜内圧の上昇による血流障害や神経圧迫を伴う急性の病態です。このテストはコンパートメント症候群の評価には適していません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
指輪っかテストは、簡便で非侵襲的に筋量減少をスクリーニングする方法として注目されています。しかし、確定診断には、筋量測定(DXAやBIAなど)や筋力テスト(握力など)を組み合わせる必要があります。介護予防事業では、サルコペニアの早期発見と対策が重要です。