左上肢の感覚と伝導路が通る部位との組み合わせで正しいのはどれか。
- 圧覚 ―― 左脊髄前索
- 位置覚 ―― 右脊髄後索
- 温覚 ―― 右脊髄後索
- 振動覚 ―― 左脊髄側索
- 痛覚 ―― 右脊髄側索
解答解説
正解は5. 痛覚 右脊髄側索です。
解説
感覚は、種類ごとに異なる脊髄の経路を通り、中枢に伝えられます。それぞれの経路とその特徴を理解することが重要です。
感覚の伝導路の分類
- 痛覚・温覚(外側脊髄視床路)
- 痛覚と温覚は脊髄の側索を上行します。
- 左上肢の感覚情報は、脊髄に入った直後に交叉(反対側に移る)し、右脊髄側索を上行します。
- 触覚・圧覚(前脊髄視床路)
- 触覚や圧覚は脊髄の前索を通り、部分的に交叉します。
- 左上肢の圧覚は右脊髄前索を上行します。
- 振動覚・位置覚(後索路)
- 振動覚や位置覚は脊髄の後索を通り、延髄で交叉します。
- 左上肢の振動覚や位置覚は、延髄まで左脊髄後索を上行します。
各選択肢の解説
- 圧覚 ―― 左脊髄前索(誤り)
- 圧覚は前脊髄視床路を通り、交叉するため右脊髄前索を上行します。
- 位置覚 ―― 右脊髄後索(誤り)
- 位置覚は後索を通り、交叉するのは延髄であるため、左上肢の位置覚は左脊髄後索を上行します。
- 温覚 ―― 右脊髄後索(誤り)
- 温覚は外側脊髄視床路を通り、交叉するため右脊髄側索を上行しますが、後索は通りません。
- 振動覚 ―― 左脊髄側索(誤り)
- 振動覚は後索を通り、側索は通りません。また、左上肢の振動覚は延髄まで交叉せず左脊髄後索を通ります。
- 痛覚 ―― 右脊髄側索(正解)
- 痛覚は外側脊髄視床路を通り、交叉するため右脊髄側索を上行します。この記述は正しいです。
ワンポイントアドバイス
脊髄の伝導路に関するポイントを整理すると、次の通りです:
- 外側脊髄視床路(痛覚・温覚):交叉して側索を通る。
- 前脊髄視床路(触覚・圧覚):部分的に交叉して前索を通る。
- 後索路(振動覚・位置覚):延髄で交叉し、後索を通る。
この仕組みを覚えておくと、臨床や試験に役立ちます。