第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題63

心臓の刺激伝導系でないのはどれか。

  1. 固有心筋
  2. 洞房結節
  3. Purkinje線維
  4. 房室結節
  5. 房室束

解答解説

正解は1です。

固有心筋は心臓の収縮に直接関与する筋肉であり、刺激伝導系には含まれません。心臓の刺激伝導系は、洞房結節から房室結節、房室束、Purkinje線維に至る一連の伝導路で、心臓全体の収縮リズムを調節します。

選択肢の解説

  1. 固有心筋
    正解です。固有心筋は心室や心房の筋肉で、心臓のポンプ作用を担う筋組織です。刺激伝導系ではなく、刺激伝導系から送られる電気信号を受けて収縮します。
  2. 洞房結節
    誤りです。洞房結節(SA結節)は心臓の刺激伝導系の一部で、心臓のペースメーカーとして働き、心拍を開始します。
  3. Purkinje線維
    誤りです。Purkinje線維は心室内で興奮を伝導する構造で、刺激伝導系の最終部分にあたります。これにより心室の一斉収縮が実現します。
  4. 房室結節
    誤りです。房室結節(AV結節)は心房から心室へ興奮を伝える刺激伝導系の重要な部分です。
  5. 房室束
    誤りです。房室束(His束)は房室結節から心室へ刺激を伝える経路で、右脚と左脚に分岐して心室全体に興奮を伝えます。

ワンポイントアドバイス

心臓の刺激伝導系は、洞房結節 → 房室結節 → 房室束 → Purkinje線維の順に興奮を伝えるシステムで、心臓のリズムを司ります。一方、固有心筋は収縮そのものを担う筋組織であり、刺激伝導系との役割の違いを覚えておきましょう。