頸動脈洞反射で正しいのはどれか。
- 血圧が上昇する。
- 心拍数が増加する。
- 求心路は舌下神経を介する。
- 遠心路は迷走神経を介する。
- 血中酸素濃度の上昇によって生じる。
解答解説
正解は4です。
頸動脈洞反射は、頸動脈洞内の圧受容体が血圧の変化を感知し、自律神経系を介して血圧や心拍数を調節する反射です。反射の遠心路は副交感神経(迷走神経)を介して心拍数を減少させ、血圧を下げる効果があります。これにより血圧の恒常性が保たれます。
選択肢の解説
- 血圧が上昇する。
誤りです。頸動脈洞反射は血圧の上昇を感知すると、心拍数を減少させ、血管を拡張して血圧を低下させます。これは高血圧を抑えるためのフィードバック反応です。 - 心拍数が増加する。
誤りです。頸動脈洞反射は、血圧が高いときに心拍数を減少させる反応を引き起こします。 - 求心路は舌下神経を介する。
誤りです。頸動脈洞からの求心路は舌咽神経(第9脳神経)を介します。舌下神経は関与しません。 - 遠心路は迷走神経を介する。
正解です。頸動脈洞反射の遠心路は副交感神経の一部である迷走神経(第10脳神経)を介し、心臓に作用して心拍数を減少させます。 - 血中酸素濃度の上昇によって生じる。
誤りです。頸動脈洞反射は血圧の変化を感知する圧受容体が関与します。一方、血中酸素濃度の変化は頸動脈小体が感知し、呼吸調節に関与します。
ワンポイントアドバイス
頸動脈洞反射は主に血圧の調節に関与し、圧受容体からの求心路は舌咽神経を、遠心路は迷走神経を介して心血管系に作用します。一方、血中酸素や二酸化炭素濃度を感知するのは頸動脈小体であり、呼吸調節に関わる点を区別して覚えておきましょう。