第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題44

多発性筋炎で正しいのはどれか。

  1. 男性に多い。
  2. 心筋は障害されない。
  3. 高い室温では筋力が低下する。
  4. 四肢の遠位筋優位に障害される。
  5. 間質性肺炎を合併すると予後が悪い。

解答解説

正解は5です。

多発性筋炎(polymyositis)は、特に筋力低下や筋肉痛を特徴とする自己免疫疾患です。間質性肺炎は多発性筋炎の重要な合併症であり、これを伴う場合は予後が悪化することが知られています。早期発見と適切な治療が必要です。

選択肢の解説

  1. 男性に多い。
    誤りです。多発性筋炎は女性に多い疾患です。特に30~50歳代の女性に発症しやすいとされています。
  2. 心筋は障害されない。
    誤りです。多発性筋炎では心筋炎を合併することがあり、心不全や不整脈の原因となることがあります。心筋が障害されないわけではありません。
  3. 高い室温では筋力が低下する。
    誤りです。この記述は重症筋無力症の特徴であり、多発性筋炎には該当しません。多発性筋炎では温度環境に特有の筋力変化はありません。
  4. 四肢の遠位筋優位に障害される。
    誤りです。多発性筋炎では近位筋優位に筋力低下が生じるのが特徴です。肩や骨盤周囲の筋力低下が代表的な症状です。
  5. 間質性肺炎を合併すると予後が悪い。
    正解です。多発性筋炎に伴う間質性肺炎は予後不良因子とされ、進行性の場合は致命的となることがあります。肺機能の定期的な評価が重要です。

ワンポイントアドバイス

多発性筋炎の特徴は近位筋優位の筋力低下、筋炎症状、自己抗体の存在です。間質性肺炎や心筋炎の合併症に注意が必要で、特に間質性肺炎は治療経過や予後に大きな影響を与えるため、早期診断と治療が重要です。