第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題56

心臓で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 心臓壁は2層からなる。
  2. 右房室弁は三尖弁である。
  3. 心室中隔は左室側に凸である。
  4. 心尖は左第8肋間に位置する。
  5. 冠状動脈は大動脈から分岐する。

解答解説

正解は2と5です。

心臓の解剖学的特徴として、右房室弁が三尖弁であること、および冠状動脈が大動脈から分岐することが正しい記述です。三尖弁は右心房と右心室の間に位置し、冠状動脈は大動脈基部の左冠状動脈洞および右冠状動脈洞から分岐します。

選択肢の解説

  1. 心臓壁は2層からなる。
    誤りです。心臓壁は内膜(心内膜)、中膜(心筋層)、外膜(心外膜)の3層から構成されます。
  2. 右房室弁は三尖弁である。
    正解です。三尖弁(tricuspid valve)は、右心房と右心室の間に位置し、血液が逆流しないように働きます。
  3. 心室中隔は左室側に凸である。
    誤りです。心室中隔は通常、右室側に凸であり、左室の高い圧力に対応した形状をしています。
  4. 心尖は左第8肋間に位置する。
    誤りです。心尖は通常、左第5肋間に位置し、鎖骨中線付近で触知可能です。
  5. 冠状動脈は大動脈から分岐する。
    正解です。冠状動脈は心臓の酸素供給を担い、大動脈基部の冠状動脈洞(Valsalva洞)から左右に分岐します。

ワンポイントアドバイス

心臓の解剖学では、弁の位置と名前血管の起始部心室中隔の形状が重要なポイントです。また、心尖部の位置は心音や心拍触知の臨床的指標として頻出です。これらを正確に覚えることが試験対策に役立ちます。