第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題57

口腔で正しいのはどれか。

  1. 口蓋の後方を硬口蓋という。
  2. 口峡は口腔と喉頭の境である。
  3. 口腔粘膜は重層扁平上皮からなる。
  4. 舌根に舌乳頭がある。
  5. 舌背に舌小帯がある。

解答解説

正解は3です。

口腔粘膜は重層扁平上皮から構成されており、摩擦や外的刺激に強い構造となっています。これは食べ物の咀嚼や飲み込みに耐えるために適した上皮組織です。他の選択肢は解剖学的に誤った記述です。

選択肢の解説

  1. 口蓋の後方を硬口蓋という。
    誤りです。口蓋の前方が硬口蓋、後方が軟口蓋です。硬口蓋は骨によって支持されており、軟口蓋は筋と粘膜から成ります。
  2. 口峡は口腔と喉頭の境である。
    誤りです。口峡は口腔と咽頭の境界を指します。喉頭は咽頭のさらに下方に位置しています。
  3. 口腔粘膜は重層扁平上皮からなる。
    正解です。口腔粘膜は外部からの刺激に対応するため、摩擦や外傷に強い重層扁平上皮からなります。
  4. 舌根に舌乳頭がある。
    誤りです。舌乳頭は舌背(舌の表面)に分布しており、味覚や感覚に関与します。舌根には舌扁桃があり、免疫機能に関与します。
  5. 舌背に舌小帯がある。
    誤りです。舌小帯は舌の下面にあり、舌と口腔底を結ぶ膜状構造です。舌背には存在しません。

ワンポイントアドバイス

口腔の解剖学的構造を覚える際は、硬口蓋と軟口蓋の位置粘膜の上皮構造、および舌乳頭や舌小帯の正確な位置を確認することが重要です。試験ではこれらの構造に関する基本的な知識が頻出です。