第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題23

継続的な持久力運動で低下するのはどれか。継続的な持久力運動で低下するのはどれか。

  1. 中性脂肪
  2. 筋内毛細血管数
  3. 最大酸素摂取量
  4. インスリン感受性
  5. 筋内ミトコンドリア量

解答解説

正解は1です。

継続的な持久力運動(有酸素運動)は、エネルギー代謝の改善に寄与し、中性脂肪(トリグリセリド)の低下を引き起こします。これにより、血中脂質のコントロールや脂肪燃焼効率が向上します。一方、筋内毛細血管数、ミトコンドリア量、最大酸素摂取量、インスリン感受性といった運動の効果で向上する要素は、運動パフォーマンスや健康状態の改善に繋がります。

選択肢の解説

  1. 中性脂肪
    正解です。継続的な持久力運動は脂質代謝を促進し、血中および筋肉内の中性脂肪量を減少させます。運動中は脂肪酸がエネルギー源として利用されやすくなり、運動後も脂肪の分解が進むことで、中性脂肪が低下します。
  2. 筋内毛細血管数
    持久力運動の効果で増加します。持久力運動は毛細血管の発達を促進し、筋組織への酸素や栄養の供給効率が向上します。低下することはありません。
  3. 最大酸素摂取量
    持久力運動を継続することで向上します。最大酸素摂取量(VO₂max)は、心肺機能と全身持久力の指標であり、持久力運動の主な効果の一つです。
  4. インスリン感受性
    持久力運動により向上します。運動を続けることで筋細胞のインスリン感受性が改善され、糖代謝が効率化されるため、2型糖尿病の予防や改善に役立ちます。
  5. 筋内ミトコンドリア量
    持久力運動により増加します。有酸素運動は筋細胞内のミトコンドリアの増加を促し、エネルギー供給能力を高めます。低下することはありません。

ワンポイントアドバイス

持久力運動の効果を覚える際には、「血中中性脂肪の減少」「ミトコンドリアの増加」「最大酸素摂取量の向上」をセットで理解するとよいです。これらは心肺機能やエネルギー代謝を改善し、健康維持や疾患予防に役立つ重要な指標です。