高次脳機能障害と検査の組合せで正しいのはどれか。
- 失語 ―― かな拾いテスト
- 注意障害 ―― TMT
- 記憶障害 ―― Kohs立方体組み合わせ検査
- 遂行機能障害 ―― BIT
- 半側空間無視 ―― BADS
解答解説
正解は2です。
TMT(Trail Making Test)は、注意機能の評価に用いられる検査です。TMTでは数字やアルファベットを順序通りに結ぶ課題が出され、注意力や遂行機能、視覚探索能力などを評価できます。
選択肢の解説
- 失語 ―― かな拾いテスト
誤りです。かな拾いテストは半側空間無視を評価するための検査です。失語症の評価には、標準失語症検査(SLTA)などが適しています。 - 注意障害 ―― TMT
正解です。TMTは注意障害の評価に広く用いられる検査で、課題の遂行速度やエラー数によって注意能力を測定します。 - 記憶障害 ―― Kohs立方体組み合わせ検査
誤りです。Kohs立方体組み合わせ検査は主に知能検査の一環として行われ、記憶障害の評価には直接用いられません。記憶障害にはWMS-R(ウェクスラー記憶検査)などが使用されます。 - 遂行機能障害 ―― BIT
誤りです。BIT(Behavioural Inattention Test)は半側空間無視の評価に用いられる検査です。遂行機能障害にはBADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome)などが用いられます。 - 半側空間無視 ―― BADS
誤りです。BADSは遂行機能障害を評価する検査です。半側空間無視の評価にはBITやかな拾いテストなどが適しています。
ワンポイントアドバイス
高次脳機能障害の評価検査を整理する際には、障害の種類(注意障害、記憶障害、遂行機能障害など)に応じた適切な検査法を覚えることが重要です。特に以下を押さえましょう:
- 注意障害:TMT、PASAT(連続加算課題)
- 記憶障害:WMS-R、RBMT(リバーミード行動記憶検査)
- 遂行機能障害:BADS、WCST(ウィスコンシンカード分類課題)
- 半側空間無視:BIT、かな拾いテスト