第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題40

全身持久力トレーニング中の自覚的運動強度の指標で最も適切なのはどれか。

  1. Karvonen法
  2. 修正Borg指数
  3. Hugh-Jones分類
  4. %最大酸素摂取量
  5. Modified Medical Research Council(mMRC)息切れスケール

解答解説

正解は2です。

修正Borg指数(Modified Borg Scale)は、運動中の自覚的な運動強度を評価するために最も適したスケールです。患者やトレーニング参加者が、運動中の負担感を0〜10の数値で自己評価する方法で、特別な器具や測定が不要なため簡便です。特に心肺リハビリテーションや全身持久力トレーニングの場面で広く使用されています。

選択肢の解説

  1. Karvonen法
    誤りです。Karvonen法は、目標心拍数を算出する方法であり、運動強度の客観的な指標です。自覚的な運動強度の評価には用いません。
  2. 修正Borg指数
    正解です。修正Borg指数は、患者自身が主観的に感じる運動強度を0(全く運動をしていない)から10(非常に強い負担)の範囲で評価するスケールで、全身持久力トレーニング中の自覚的運動強度評価に適しています。
  3. Hugh-Jones分類
    誤りです。Hugh-Jones分類は、呼吸困難の重症度を評価する指標であり、日常生活における身体活動制限の程度を5段階で評価します。運動中の自覚的運動強度の指標ではありません。
  4. %最大酸素摂取量
    誤りです。%最大酸素摂取量(%VO₂max)は、最大酸素摂取量を基準とした客観的な運動強度の指標です。自覚的運動強度の評価には適していません。
  5. Modified Medical Research Council(mMRC)息切れスケール
    誤りです。mMRCスケールは慢性閉塞性肺疾患(COPD)の評価で、日常生活中の息切れの程度を評価する指標です。運動中の自覚的運動強度の指標には不向きです。

ワンポイントアドバイス

全身持久力トレーニングでは、主観的な運動強度を適切に評価することが重要です。修正Borg指数は簡便かつ実用的で、患者やクライアントの自己申告に基づくため、安全性の確保にも寄与します。これに加えて、心拍数や酸素消費量などの客観的指標を組み合わせるとさらに効果的です。